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みどりのゆび(岩波書店)

掲載日:2023/2/24
モーリス・ドリュオン
安東次男 訳

 戦争を終わらせるには、どうしたらいいのでしょうか。

 この本の主人公「チト」少年は、大変裕福な家に生まれますが、ある日、自分の家がなぜ裕福なのかわかってしまいます。お父さんの仕事は、兵器を作り、売る仕事だったのです。戦争があると豊かになるのです。チトは、優しく、賢く、美しく、勇気もあり、その上、特別なギフト(能力)も授かっていました。チトの親指が触れたところからは、植物が勢い良く育つのです。チトは、みんなのために、勇気を持って、たった一人で自分に特別に与えられたこの力を存分に使います。

 この本には、戦闘シーンが出てくるわけではありません。童話のような、わかりやすいことばで書かれていますが、色々なことを考えさせられます。私たちには、チトのような「みどりのゆび」がないから「何もできない」でしょうか。

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